前立腺肥大症

前立腺は男性特有の臓器で膀胱の真下に位置し、尿道を取り囲む形をしています。大きさはクルミ程度です。ここでは精子に栄養を与える、保護するといった働きを持つ前立腺液が分泌されています。そして前立腺肥大症とは、この前立腺が肥大化する病気です。前立腺の肥大化によって尿道は圧迫され、残尿感、頻尿、尿意切迫感、尿の勢い低下といった症状が生じます。

発症原因は加齢や男性ホルモンの影響とされており、60歳以上の方に多く見られます。

検査としては、まず前立腺がんの可能性を調べる腫瘍マーカー検査（血液検査）や尿検査、直腸診を行います。さらに腹部超音波検査で前立腺の大きさや残尿測定します。また、症状をスコア化したIPSS（国際前立腺症状スコア）を用いて重症度を判定することもあります。

治療については、症状の程度によって内容が異なります。主に薬物療法、手術療法などがあります。症状が軽度な場合は薬物療法が用いられることが大半です。使用する薬についてはα1遮断薬、抗男性ホルモン薬などがあります。また症状が進行していて薬物療法では改善が困難な場合は手術療法が行われます。手術の場合は尿道から内視鏡を挿入し、内部から電気メスで前立腺を切除するTUR-P（経尿道的前立腺切除術）などが行われます。また手術が難しい場合は、尿道にステントを留置して尿が出やすくなる施術を行うこともあります。